ほのおのにっき

消火活動中の緊急措置等

ほのおのにっき 2018年9月13日

最近、「シ〇ゴ・ファイヤー」たる消防の海外ドラマにはまっています。

 

近年のドラマは「リアリティ」にあふれており、トレンチレスキュー、集団救急、狭隘空間レスキュー、パラメディックの救命処置など多岐にわたる消防活動でとても勉強になるものでした。

昔ながらのコテコテの「こんなこと、あれへんやろ~~」的なことは、恋愛シーンだけかと感心して観ていると・・・

 

 

火災現場で、なんと消火栓の前に駐車車両っ!!
ドラマの消防士たちは、ためらうことなくガラスを破壊して車内を貫通させて消火栓に部署!

 

カッコいい!!!!

 

現実的に日本では、こんなことできへんやろ・・・と思いつつも

消防実務六法を覗いてみた。

 

消火活動中の緊急措置等
消防法第29条1項

消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。

同条2項

消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、火勢、気象の状況その他周囲の事情から合理的に判断して延焼防止のためやむを得ないと認めるときは、延焼の虞がある消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。

同条3項

消防長若しくは消防署長又は消防本部を置かない市町村においては消防団の長は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために緊急の必要があるときは、前二項に規定する消防対象物及び土地以外の消防対象物及び土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。この場合においては、そのために損害を受けた者からその損失の補償の要求があるときは、時価により、その損失を補償するものとする。

同条4項以下省略

 

要約すると火災発生時、発生しようとしているとき又は人命救助のために必要があるときは、消防対象物(山林や船、車、建築物とその他の工作物と無関係な物件)を処分、制限できる。

 

このような行為を、我々消防士は「破壊消防」といいますが、過去には最高裁判決事例もありました。

 

私たちは任務遂行上、やむをえず一般市民等の自由や財産を制限しなくてはならない場合があります。

消防の目的をしっかりと理解し、根拠法令や正しい知識、責任感を持って活動に専念したいと思います。