ほのおのにっき

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中濃消防組合管内の豪雨災害を語り継ぐ

ほのおのにっき 2024年10月21日

現在、豪雨災害として印象に残っているのは「令和6年9月能登半島豪雨」ではないでしょうか。

被災者の方々にありましては、この度の災害に対し、心よりお見舞い申し上げます。一日も早いご復興をお祈りいたします。

 

今回は、私が経験した過去の関市・美濃市の豪雨災害を2例振り返ります。

 

・平成16年10月洪水 台風23号

長良川が氾濫し、両市ともに浸水被害あり。

【体験】

私が学生の頃の災害です。

友達の家が床上浸水し、家財道具の搬出を手伝ったことが、今でも鮮明に記憶されています。

搬出の手伝いをしていて一番厄介だったのは「砂塵」です。

屋外の砂塵が風や車の影響で常に舞い上がっており、ゴーグルやマスクの必要性を感じました。

 

・平成30年7月豪雨 台風7号

津保川が氾濫し、上之保・武儀地区などで甚大な浸水被害あり。

【体験】

当時私は、津保川出張所に配属されており、非常招集がかかった時間帯は深夜でした。

周囲は暗く、車に打ちつける激しい雨。一瞬道路の真ん中がきらりと反射し、よく観察すると目の前にはただよう水・・・水?

「・・・道路が冠水している!!逃げなきゃ!!」

その光景は、「異世界」のようで恐怖を感じました。

ボランティア活動には、前回の経験と被災者の実例を活かし、小サイズの角スコップ持参しました。

水分を含む粘土性の土は重く通常サイズの角スコップでは肉体を酷使しますが、小サイズは取り回しもよく活動に最適でした。

 

被災地に関わった私にできることは、多くの方々に経験を語り繋ぐことだと感じています。

 

津保川中学校で地震体験車を使用した消防訓練を実施しました。

ほのおのにっき 2024年9月25日

「チャランチャラン・チャランチャラン 緊急地震速報です 強い揺れに警戒してください」

何度聞いても慣れることがなく、緊張感が走る、この緊急地震速報のアラーム。

令和6年1月に発生した能登半島地震の際にも、みなさんがお持ちのスマートフォンやご家庭にあるテレビから、このアラーム音が聞こえてきたのではないでしょうか。

また、最近でも、九州地方や関東地方で大きな地震が発生する等、南海トラフ地震への警戒がますます強くなっています。

そんな中、武儀出張所の管内にある関市立津保川中学校では、地震体験車を使用した消防訓練が行われました。

訓練に参加した生徒の中には、初めて地震体験をする生徒もおり、真剣な表情で訓練に取り組む姿が多く見られました。

参加した生徒からは、「震度6を体験したが、思ったよりも揺れて怖かった」、「地震の危険性を改めて実感することができた」といった地震に対する感想や、「普段からの備えが必要だと感じた」、「地震が起きた時の対策について、家族と話し合っておきたい」といったような備えについての感想も聞くことができました。

今回の訓練で、改めて地震の恐ろしさを体感することができ、さらに生徒一人一人に日常的な防災意識の大切さを伝えることができたと感じました。

「自分の命は、自分で守れるようになってほしい」

そんな願いを込めて、訓練に参加した武儀出張所の職員でした。

救急講習に興味ありますか?

ほのおのにっき 2024年9月6日

想像してみてください。

今、あなたの目の前で大切な人や家族が倒れたとしましょう。

あなたは、その人を助けることができますか?

救急車は119番通報してからすぐには来てくれません。

現場到着まで平均して約8~10分かかるといわれています。

その間にも、時間は刻一刻と進んでいきます。

不安ですよね。何をすればいいのか迷いますよね。

 

そんなとき、救急講習を受けていればあなたは目の前で倒れた人の救世主になれるかもしれません。救急講習の種類は下の図のように6つのコースがあります。

私が先日担当した講習は、普通救命講習Ⅲという、大人と、赤ちゃんから小学生までの子どもに対する胸骨圧迫と人工呼吸・AEDの使い方についてでした。

 

皆さん3時間にも及ぶ長時間の講習でしたが、最後まで真剣に受けてくださいました。

帰るときには「自信が持てました」や「がんばります」といってくださり、講習を担当してよかったと思いました。

なによりこの講習をきっかけにして一人でも多くの命が助かればそれ以上にうれしいことはありません。

気になる方は、救急講習についてもっと詳しくホームページ内で紹介しているので下のボタンをクリックしてみてください!

とある救急現場での出来事

ほのおのにっき 2024年9月2日

いつものように救急出場の指令が入り、現場へ向かいました。

到着すると、車を運転中にめまいを発症し、運転を続けられない傷病者がいました。救急車に収容し処置をしながら話を聞いていると、苦しそうにしながらも、将来、救急隊員として働きたいから、救命士の資格を取得するため学校に通っているというではありませんか。

搬送中も辛そうにしながらも、申し訳なさそうにする傷病者に「がんばって資格を取って、将来、あなたも助ける側になるのだから、救急車で運ばれたという経験が、絶対プラスになりますよ!」と声をかけた救命士でした。

数日後、元気になり、お礼を言いに訪れた学生は、とても希望に満ち溢れていました。「数年後、一緒に働けるといいですね。」救命士のかけた言葉は、とても暖かく、気遣いもあり、学生の心にも響いたのではないでしょうか。

    

夏の風物詩

ほのおのにっき 2024年8月28日

記録的な猛暑が続いていますが、楽しい夏の思い出はつくれていますか?

 

夏の風物詩の一つに「花火」があります。私が勤務する関消防署武芸川出張所の近くでも先日、関市武芸川ふるさと夏祭りで花火大会が開催されました。

花火大会では、事前に打ち上げ花火を検査したり、露店に防火指導を行ったりと皆さんが安心・安全に楽しめるよう消防も携わっているんですよ。

ところで、花火大会といえば、花火が打ち上がる際に「た~まや~」や「か~ぎや~」と掛け声がかかっているのを聞いたことはありませんか?

掛け声の由来は今の時代すぐに調べられるので気になる方は調べてもらうとして、この掛け声、実は江戸時代から続いているそうですよ!

 

江戸時代からの掛け声が現在でも残っているのは、多くの人々によって掛け声が語り継がれてきたからかもしれませんね!

 

未曾有の出来事と言われた東日本大震災、能登半島地震・・・

記憶から薄れてきていませんか?

南海トラフ地震臨時情報が発表され慌てて災害に対する備えをしていませんか?

 

花火の掛け声のように災害も語りつぎ、日頃から災害に備えておきましょう。

「備えあれば憂いなし」です。

第37回中濃地区少年消防クラブ研修会を実施しました

ほのおのにっき 2024年8月6日

消防に対する知識を深め防火・防災意識を高めるとともに、クラブ員同士の親睦を深めることを目的に、中濃消防組合消防本部及び関消防署において「第37回中濃地区少年消防クラブ研修会」を開催しました。

 

関市、美濃市の小学校10校から、少年消防クラブ員20名(3年生~6年生)が参加しました。

はしご車搭乗体験をした後、能登半島地震に緊急消防援助隊として派遣された隊員の話を聞きました。災害現場の写真に、ハッと驚きながら、隊員の話を真剣に聞いていました。

昼食には、水と発熱剤により温められる非常食を自分たちで作って食べました。午後は、災害時の避難についてのグループワークを行いました。

大人では考え付かないような避難物品を発想する子や、災害時のハプニングへの対処の工夫が上手なグループなど、楽しみながら災害時の対応について考えました。

災害に対して様々な視点から考えを深めながら一日の体験を通してメンバー同士の連帯感を育てることができ、この研修会の目的を達成できたと感じています。

はしご車体験 緊急消防援助隊の話

 

非常食体験 グループワーク

 

終了式(修了証交付) 集合写真

 

安全なアウトドアを!!

ほのおのにっき 2024年7月25日

アウトドアは好きですか?

洞戸出張所が管轄する関市洞戸は、清流板取川が流れる山々に囲まれた風光明媚な地域です。

アウトドア派の方には格好の場所となっており、シーズンになると釣りや川遊び、登山、キャンプなど、豊かな自然を楽しむために多くの人が訪れています。

 

そんな楽しさいっぱいの洞戸ですが、アウトドアには注意が必要なこともあります。

それは、自然が相手であるため、楽しさの裏側に危険も潜んでいるということです。

 

川で流された・・・

山で遭難した・・・

キャンプで使う道具でケガをした・・・

 

などなど、実際にアウトドアでの事故が多く起きています。

次のことには十分注意して下さいね。

せっかくの楽しい自然遊びです。

最低限の安全を守って、快適なアウトドアを楽しみましょう!!

 

安心してください、出ていますよ

ほのおのにっき 2024年7月10日

タイトルを見て、ドキッとした方。

安心してください。

出ているのは「救急車」です。

私が勤務する指令センターでは、時々こんな通報内容が見受けられます。

「いいから早く来い!」「とりあえず来い!」

このような高圧的な態度で通報があるかと思えば、こちらの質問に答えることもなく「救急車お願いします」と出前のように注文し、一方的に話を区切り早々と電話を切ろうとする行為もあります。

知っている方もみえるかと思いますが、119番通報を受けるのは指令センター員です。

指令センター員は、消防士ではありますが主に119番通報を受けることを仕事とし、現場に行くことはありません。当然、電話を早く切ったところで、救急車や消防車が到着する時間は変わりません。

災害に応じて適切な署所に必要な車両を選定し、出動指令をかけるのが、私たち指令センター員の仕事です。その中で私たちが一番重要としていることは、「情報」です。

例えば救急事案では、傷病者の容態や災害場所により人員増隊の支援隊、ドクターヘリの要請も必要になります。既往歴やかかりつけ病院も病院を選定する上で非常に重要な判断材料になります。そのために指令センター員は、通報者の声だけを頼りに現場の様々な情報を収集する必要があるのです。

しかし、情報が欲しいからと言って必要以上の情報収集は好ましくありません。もちろん「情報収取」に加え「スピード」も求められます。ですので、場所を特定した時点で、配置する署所に出動指令をかけています。出動指令をかけながら、同時に通報者から追加情報を収集していますので、どうかご安心していただき、こちらの情報収集にもご理解・ご協力をお願いします。

また、当組合のホームページでは、実際の119番通報時の質問内容など具体的な通報方法を案内しています。「救急車が本当に必要なのか分からない」、「受診可能な病院を教えてほしい」、「何科へ受診したらいいか教えて欲しい」などの問合せは、「#7119」または「058-265-0009」で救急の電話相談やアドバイスを受けることができます。

  

 

心理的安全性が高い職場環境づくり

ほのおのにっき 2024年6月28日

心理的安全性? 何のこと? 意味わからん!

こんな言葉が聞こえてきそうですね。

「心理的安全性」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。

組織行動学を研究する学者が1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。

中濃消防組合では年度ごとに、目標を定め実践しています。

今年度は、重点目標の一つを「信頼される組織(働きやすい職場環境づくり)」とし、津保川出張所として「心理的安全性が高い職場環境づくり」を推進事項として定めています。写真のとおり、日常的に職員の視界に入るよう掲示しています。

具体的には、「笑顔で接し、気持ちの良いあいさつをし、職員の良い点を褒める。ミスは責めることなく、次につながるよう『チャンス』と発し励ます。」です。

消防は何事もチームで行なうのが鉄則です。

中濃消防組合は、これからもチームで消防行政を行ない、市民のニーズに応えていきます。

 

オープンカーに変身

ほのおのにっき 2024年5月14日

美濃消防署では、4月から5月にかけて救助隊の指導のもと、主に若手職員や異動職員を対象に車両破壊救助訓練を行いました。

交通事故救助事案は、車の安全性能も向上し年々減少傾向ではありますが、ひとたび事案が発生すると、車の損傷具合は千差万別で救助方法に悩まされることは多々あります。

救助隊員が交通事故救助事案に出場した時に、考えていることは皆さん何かわかりますか?

 

1 隊員が安全に活動するためには?

2 要救助者に負担を掛けずに救助するためには?

3 最短で救助するには?(破壊を最小限にして、手数を減らす。)

等々状況によっても違いますが、上記のようなことを考えています。

このように、より安全に、より痛みがなく、より速く、救助できるようにこれからも美濃消防署救助隊は訓練に励んでいきます。

 

(写真は、最終形態です。きれいな状態から少しずつ状況を想定しながら破壊訓練を行いました。)

 

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