中濃消防で救急の訓練や救急講習で使用しているマネキンの紹介をします。
このマネキンは、レサシアンといいます。「セーヌ川の少女」で調べてみると次のような由来があります。
20世紀初頭、パリのセーヌ川で少女の遺体が引き上げられました。危害を加えられた痕跡もなく、それは自ら命を絶ったものでした。
少女の身元は確認されなかったため、当時の慣習にのっとり「デスマスク」が製作されました。その若き少女の繊細な美しさとうっすらと浮かべた微笑が、彼女の死に謎を残しました。
後に、心肺蘇生法を実用的且つ効果的に教えるためのトレーニングマネキンを開発しはじめた海外の会社によって、「セーヌ川の少女」は、再び脚光を浴びることになりました。この少女の早すぎる死に胸を痛め、悲劇がくりかえされないようにと、心肺蘇生訓練用マネキンに少女のデスマスクを採用し、レサシアンと名づけられました。
本当に美しくうっすら微笑んでいますね。1世紀前の悲しい出来事が今でも引き継がれ、人々の命を救うために役立っていると知ったらこの少女はどう思うでしょうか。とても感慨深いですね。
「セーヌ川の少女」から生まれたレサシアンは現在、世界中で使われる心肺蘇生訓練用マネキンとなっています。みなさん、このマネキンを使って救急講習を受講するときは、この背景を思い出し大切に扱って心肺蘇生法を習得して下さい。