ほのおのにっき

職人の仕事として「絶対にミスできない戦いがここにはある!」【予防課】

ほのおのにっき 2017年1月20日

キン、キン、キン・・・消防署の屋外階段から何かを叩く金属音。決して関伝統の刀を鍛えているわけではありません。

これは、危険物の法令で定められている「完成検査前検査」に合格した際、交付する金属プレート状のタンク検査済証に検査方法、検査番号、検査年月日を打刻しているのです。

打刻作業は専用の工具を用いて職員の手作業によって行われます。叩く力が強いと文字や数字が二重になったり、また、弱すぎるとはっきり読み取れなかったり、さらに、プレートに対して工具が垂直に接触していないと文字や数字の一部が欠けてしまうなど、綺麗に文字や数字を刻印するためには絶妙な力加減や感覚を必要とします。

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私は平成28年4月から危険物規制に関する業務の一環として、この打刻作業に携りました。タンク検査済証は、真鍮(読:しんちゅう=銅と亜鉛の合金)で大変高価なものであり、年度初めに一定数を発注するのみで年度途中に追加発注はできません。そのことを知り、毎回打刻する前には手が震えてしまいます。

先輩職員から「前任者は上手に作っていたよ」などとはっぱをかけられたり、高価なもので追加発注ができないというプレッシャーの中で、「絶対にミスできない刻印」が今ここにあるのです。

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消防署から、キン、キン、キンという金属音が聞こえたとき、それは職人が仕事をしているとき・・・なのかもしれません。