ほのおのにっき

自然エネルギーの脅威

ほのおのにっき 2017年9月22日

皆さんは、余部(あまるべ)鉄橋の列車転落事故を知っていますか?

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昭和61年12月28日、13時25分、兵庫県美方郡香美町香住区余部の山陰本線余部鉄橋を回送列車が走行中、最大風速33メートルの突風に煽られて客車7両が鉄橋から約41メートル下に転落し、直下のカニ加工場を直撃、12名の死傷者を出した自然災害です。

この出来事は、私が、消防士を拝命してからちょうど10年目の事で、風に列車が持ち上げられる?「まさか」と、鮮烈に記憶に残っていましたが、今回、山陰旅行の折、念願叶って現地を訪れることが出来ました。

 

 

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現地は、入江の奥の山間に住家が肩を寄せ合って建っている。そんな典型的な日本海特有の集落です。冬期は山陰特有の低気圧により、豪雪地帯であることは想像に難くない。そんな厳しい自然環境の中での転落事故であろうことは分かりましたが、実際鉄橋を見上げてみると、その自然の力に恐怖を覚えました。

転落の原因としては、運転規則で25メートル以上の風速の場合は運転を中止すべきものが、列車指令員のミスで手配を怠ったことによるもので、防ぎえた事故であったと言えます。

 

 

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現在は、二重三重の安全管理に加え鉄橋はコンクリート製に架け替えられていますが、惨事のモニュメントとして鉄橋の一部は残してあり、山腹にあった余部駅を「空の駅」と命名し観光資源として活用するようで、11月末には展望施設としての専用エレベーターが完成する予定です。

 

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毎年日本全国では、自然災害が多発しています。自然の猛威には人は無力かもしれませんが、ただ異常気象と一言で片づけず、畏敬の念をもって真摯に対応しなければいけません。我々の仕事は災害全てです。この事故を貴重な教訓として、決して自然を侮らず安全管理を徹底して、立ち向かって行きましょう。