ほのおのにっき

憧れの前穂高岳

ほのおのにっき 2019年6月5日

 

雪山登山を始めて早3年、ついにバリエーションルート(一般ルートとは違う、沢筋や岩壁などの困難な登山路)でのアルプスを登って来ました!

場所は北アルプス穂高連峰のひとつ前穂高岳。標高は3090mの山脈です。ここは上高地の河童橋から見える山で、以前5月に訪れた際、白く輝く穂高連峰を見ていつかは登ってみたいと思っていました。ただ、この季節は一般登山道が雪や氷で覆われているため、雪山初心者では登ることが出来ません。しかし、今年は冬季に宝剣岳や西穂高岳など険しい雪山を登り経験を積んできたので挑戦することにしました。

上高地から日帰り登山も考えましたが、雪が締まる早朝に登れるよう麓にある岳沢小屋でテント泊をし、そこから奥明神沢から山頂へ向かうことにしました。

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当日午前4時の気温は-7℃。空は快晴で星空を見ながら奥明神沢を登り始めました。手足の先が寒さで痛むなか、アイゼン、ピッケルは締まった雪に良く刺さります。これなら滑落するリスクを下げられると思い歩き始めました。しかし、思っていたより急斜面で、永遠と続く雪壁を見ると気持ちが折れそうにもなりました。登り始めて1時間、朝焼けのアルプス(モルゲンロート)を見ることができ、辛い体を癒してくれました。傾斜のきつい雪面を登り3時間、永遠に続くと思われた雪壁から山頂らしきものが見える頃には、脹脛はパンパンに張り呼吸が苦しくヘトヘトになっていました。体力不足を自覚し諦めずにゆっくり登ること1時間、ついに山頂を踏むことが出来ました。すぐ隣には奥穂高岳やジャンダルム、岩峰が並ぶ明神岳が目の前に広がり登頂した達成感でいっぱいでした。30分ほど山頂で休憩をしたあと急斜面を慎重に下り無事岳沢小屋まで下りてくることが出来ました。この時に雪崩や滑落する危険地帯から解放され安堵感で満たされましたが、山頂に着いたとき以上に達成感を味わうことが出来ました。登山中は楽しさよりも辛さが上回りますがこの達成感のためにまた登りたくなってしまいます。

消防の活動中は辛いことばかりですが、無事に業務を終えた時の安堵感が登山とよく似ており達成感があります。今回の山行きで普段行っている体力錬成では、まだまだ不十分だと感じたので、余裕を持った登山が出来るよう、また仕事でも余裕を持った活動ができるよう鍛える必要があると感じました。

登山をする時は十分な体力作りをしてから、自分に合った計画を立てて登りましょう。

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