ほのおのにっき

リタイア前の独り言

ほのおのにっき 2019年8月21日

「相撲は負けて覚えるもの。勝って覚える相撲はどこにもない」

これは、第68代横綱である朝青龍の言葉で、「人は負けることで成長する。その敗北を貴重な教訓とできるかどうかが、その後の人生につながっていく。」と言っています。

朝青龍は現役時代、幕内で596勝153敗76休、幕内優勝25回の戦績を残していますが、朝青龍にとって、153敗の黒星と76休が最高の教訓だったということです。

 我々消防も同じことがいえます。消防の仕事で一番必要と思うのは経験、体験だと思います。災害現場というのは一つとして同じ現場はありません。災害現場で活動すれば、必ず「良かったこと、悪かったこと」、「成功したこと、失敗したこと」があり、これを全て洗い出し次に生かすことが重要です。

せっかく経験しても「ああ、無事に済んだ」で終わらせては次につながらず、災害現場でまた同じ失敗を繰り返すことになるからです。

また、どんな仕事でも傍観者ではではなく、経験者になってほしいと思います。イギリスのことわざに「学問なき経験は、経験なき学問に勝る」とありますが、学問だけあっても実際の経験を積まなければ大した役に立たない。それより学問や理屈は知らなくとも経験のある人の方が勝っている。これが「年長者の経験は貴重」と言われる所以です。

04-20191-8.21

我々の仕事である警防活動は一人ではできません。組織的に活動することではじめて目的を達成します。また、経験不足の若年職員は訓練を実施して補完する以外になく、いくら小隊の中に突出した隊員がいても、他の隊員のレベルの中で活動しなければなりません。

04-20192-8.21

各小隊長は自隊の隊員を一定のレベルまで向上させる義務があり、そして最後には「隊員を育てることが自分自身を助ける」ことに繋がっていくと思います。

あと僅かになった、リタイア(退職)前の独り言でした。