ほのおのにっき

今更ですが…

ほのおのにっき 2019年12月19日

鉄道が1日に4千本、約48万人が利用する大都会で開催された『全国消防技術者会議』を受講した時の事。

全国有数の消防資機材を取扱う業者が最新資機材の広告をしたり、消防職員が災害現場活動で使用する資機材にひと手間かけ、更に有効活用が出来るシロモノに変身させ実験した事例や、地道に火災原因調査を行い完結した事例、車両走行時の振動等による胸骨圧迫の影響など、多種多様の奥深い発表を傍聴している中、『おぉ?』と感じた消防人として身近なお話をおひとつ。

今からさかのぼる事100年、明治36年にとある日本の企業がイギリスから輸入した織機を使って作られたのが消防用ホース第1号。当時は麻を使用してホースが作られたそうです。

麻の消防用ホースが誕生し、現在の合織の消防用ホースに至るまでに100年が経過し耐久性や摩擦損失など日々進化を遂げてきました。

消防人の皆さんはどれだけ消防用ホースの大切さを感じているのだろうか…。 この長く伸びる65mmホースの先には屋内進入をしている隊員がいるかも知れない…。重大な役目を果たす大切なホースを車で踏まれ、激怒した職員もいるのではないでしょうか?

身近で私たちの職場には欠かす事が出来ない大切な消防用ホースの摩耗について少し語ります。災害現場活動や火災防ぎょ訓練等で充水したホースの流れを修正・移動させる事が多々あります。その行動の中で、V字に折れ曲がったホースを引きずるといった行動は、誰もが経験していると思います。『実はその引きずる行動、ホースが悲鳴をあげる行動です』

折れ曲がったホースは角が立ち、その角の1点に集中的に摩擦が生じ、漏水もしくは最悪破裂する事に繋がります。特にポンプ付近と筒先付近で使用するホースはV字に折れ曲がりやすく、引きずる回数も多いと言えます。

消火活動現場での引きずりは仕方がない事ですが、帰署後のホースを島田折り(※1)や狭所巻(※2)に設定する時や、乾燥収納時における二重巻(※3)の増し締め等、地味な事ですが青シート等を敷いた上で作業を行えば摩擦による損傷を極力防ぐ事が出来るのではないかと感じました。

自分や仲間の命を守る大切なホースです。少しでも長く使えるようホースに限らず、消防で使用する全ての資機材に愛情を込めましょう。

 

04-20191-12.19

※1 島田折り

04-20192-12.19

※2 狭所巻

04-20193-12.19

※3 二重巻