ほのおのにっき

落語 研究かい?

ほのおのにっき 2020年1月10日

この職場に誰が名づけたのか人知れず、落語研究会なるものが存在しています。会員はたったの4人。それも定年間近の昭和30年代生まれの気が置けない仲間。

そのなかのひとりである私は、年1回東京寄席に泊りがけで行くことが、唯一無二の楽しみとなっています。その理由は、寄席という日常とかけ離れた空間に長時間浸り、たっぷりと落語を聞いて大笑いし、ストレスを発散できるからです。

寄席を出るとその場の余韻が後を引き、眠りにつくまでホカホカとした気分が持続します。私にとってそれはまるで、温泉に入ったときの効果と同じなんです。

そして、なんといってもその夜に仲間とやる一杯。このひとときが格別で、決して欠かすことはできません。この噺家の今日の演目がどうだの、語り口やしぐさ、まくらから本題への入りなどなど。あれもいい、これもいい。あーでもない、こーでもない。こんな具合に意見をぶつけ合い酌み交わす酒。これは至福の極みであり、最高の贅沢といえます。

実はこの仲間、若かりしある年の夏。救助技術を競う大会に出場した選手たちでもあるんです。1チーム4人が梯子とロープを利用して、高所にいる人を地上に救出するといった種目。それぞれ身が細るほどの大量の汗をかき(時には冷や汗も)、互いに競い合い助け合い、苦楽の思い出を共有でき、分かり合え長く続いている仲間。そう、それは昨年の流行語大賞「ONE TEAM(ワンチーム)」そのもの。私たちの職場に最も必要で大切な精神であり私の宝です。

さて、次回は久しぶりに4人揃っての東京落語ツアー。どんな展開が待っているのか待ち遠しいこの頃。でも、よく考えると来春ひとり定年退職するので、全員で行くのはこれが最後になるのか。じゃー思い存分楽しむことにしますかね。と同時に、これを読んで苦笑いしているあの人の顔が浮かびます。

ところで、落語研究会っていうけど何か研究しているんだろうか。研究とは「物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること。また、その内容。」

とあります。そんな大したことしてないよなと思います。らくごけんきゅうかい、読みは同じでもこの会は、「落語研究会」より「落語 研究かい?」でしょう。どう考えても。

ほのおのにっき掲載は、これで落語シリーズ3年目。話(はなし)の(の)間(ま)→マクラ→落語 研究かい?と、タイトルを尻取りでつなぎました。さあ、この流れ来年はどうなるのでしょう。