ほのおのにっき

ダブルバインド

ほのおのにっき 2020年3月13日

「ダブルバインド」という言葉をご存知ですか?

直訳すると「二重拘束」という意味になります。2つ以上の矛盾したメッセージを相手に伝え、そのどちらに従ってももう一方には逆らうことになってしまうものです。

たとえば、子どもが何かを壊してしまったとして、「怒らないから正直に言ってみなさい」と言われ「自分が壊しました」とその指示通りに答えたとします。経験のある人ならわかると思いますが、たいていの場合はその後怒られますよね。この場合、「怒らないから言いなさい」というメッセージに対して、それに従うと怒られるというメッセージが矛盾しています。

この他に、子どもが言うことを聞かない場合、「勝手にしなさい!」と叱った後に、「いつまでそんなことをやっているの!いい加減に言うことを聞きなさい!」と命令するのもダブルバインドです。

「したいようにしなさい」「好きなものを選んでいい」と言っておきながら、親が思うものを選ばないと「こっちにしなさい」と結局親が決める。

家庭でこのような矛盾したこと、あなたは言った覚えがありませんか?

これが職場ではどうなるでしょうか?

「何でも報告・連絡・相談することが大切」などと言っている上司に、部下が相談すると「何でも聞かずに自分で調べろ!」

「失敗の理由はなんだ?」と聞かれ、理由を言うと「言い訳はするな!」

「自分でよく考えろ!」と普段言っている上司が、仕事が少し遅くなると「何で人に聞かないんだ!」

このような「ダブルバインド上司」は皆さんの職場にいませんか?

パワーハラスメントやモラルハラスメントの加害者は、このダブルバインドをよく使っていると言われていますし、こんな上司のいる職場の雰囲気は当然悪くなります。

この文を書きながら、中濃消防組合には「ダブルバインド上司」がいないことを信じつつ、自分は絶対にならないぞ!と強く思いました。