タイトルを見て、ドキッとした方。
安心してください。
出ているのは「救急車」です。
私が勤務する指令センターでは、時々こんな通報内容が見受けられます。
「いいから早く来い!」「とりあえず来い!」
このような高圧的な態度で通報があるかと思えば、こちらの質問に答えることもなく「救急車お願いします」と出前のように注文し、一方的に話を区切り早々と電話を切ろうとする行為もあります。
知っている方もみえるかと思いますが、119番通報を受けるのは指令センター員です。
指令センター員は、消防士ではありますが主に119番通報を受けることを仕事とし、現場に行くことはありません。当然、電話を早く切ったところで、救急車や消防車が到着する時間は変わりません。
災害に応じて適切な署所に必要な車両を選定し、出動指令をかけるのが、私たち指令センター員の仕事です。その中で私たちが一番重要としていることは、「情報」です。
例えば救急事案では、傷病者の容態や災害場所により人員増隊の支援隊、ドクターヘリの要請も必要になります。既往歴やかかりつけ病院も病院を選定する上で非常に重要な判断材料になります。そのために指令センター員は、通報者の声だけを頼りに現場の様々な情報を収集する必要があるのです。
しかし、情報が欲しいからと言って必要以上の情報収集は好ましくありません。もちろん「情報収取」に加え「スピード」も求められます。ですので、場所を特定した時点で、配置する署所に出動指令をかけています。出動指令をかけながら、同時に通報者から追加情報を収集していますので、どうかご安心していただき、こちらの情報収集にもご理解・ご協力をお願いします。
また、当組合のホームページでは、実際の119番通報時の質問内容など具体的な通報方法を案内しています。「救急車が本当に必要なのか分からない」、「受診可能な病院を教えてほしい」、「何科へ受診したらいいか教えて欲しい」などの問合せは、「#7119」または「058-265-0009」で救急の電話相談やアドバイスを受けることができます。