ほのおのにっき

消防ホースの収納方法

ほのおのにっき 2018年1月31日

私たち消防士が使用している消防ホースにはいくつかの収納方法(巻き方)があります。ただ単純に車両に積んである訳ではありません。素早くホースを延ばし1秒でも早く火を消すことはもちろん、様々な現場の状況に応じて消防ホースを使い分けています。その収納方法にはそれぞれ名前があり、用途ごとによって使い分けています。その中で代表的な「2重巻き」、「島田巻き」、「狭所巻き」といった収納方法を紹介します。

【2重巻き】

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ホースを真ん中で二つに折り、端から2重にぐるぐる巻いたもの。平坦な場所や坂(下り)で転がすようにしてホースを延ばして使用し、主に車両や棚等の収納にむいています。

【島田巻き】

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ホースをジグザグに折りたたみ重ねたもの。バンド等で固定し、肩にかけて搬送するだけで、重なったホースが延びるもの。直線上でホースを延ばしたい場所はもちろん、二重巻きでは難しいとされる階段や坂(上り)のホース延長にむいている。

【狭所巻き】

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大き目の輪を作るようにぐるぐると巻き、三つ折りにたたんだもの。ホースを搬送後、円になるようにホースを広げて使用する。ベランダ等狭い場所でもホースに充水することができます。

 

このようにホースの収納1つとっても、先人たちの知恵や工夫が盛り込まれており、日々進化しています。ただホースを延ばすだけだと思うかもしれませんが、消防で使用するホースは家庭用のホースとは違い、太く重いため、容易には延ばせません。また、延ばしたホースが途中で折れ曲がっていると水の勢いが弱くなり、先から出る水の量も少なくなってしまいます。ホース延長は消火活動をする上での要であり、それを怠ると後の活動に大きく影響してくるのです。「ホース延長を制するものは火災戦闘を制す」(私が勝手に作った言葉ですが。。。)私が消防署に配属された当時、ホースを上手く延ばせない事が原因で上司に厳しく指導して頂いたことを今でも思い出します。水は私たち消防士にとって生命線であることから、ホース延長にはこだわらなければいけないところなのです。

知恵や工夫は全て人の疑問から生まれるものです。私も現状に満足せず、様々なことに広く関心を持ち、日々疑問をもって仕事に励んでいきたいと思います。