「2階建の家が埋まるような雪の壁」
「宝石箱のように蒼く輝く大釜」
関市板取の最深部、容易に人を寄せ付けぬ険しい道のりの先には見たこともないような絶景が広がっています。滝波山で雪山登山、西ヶ洞を擁する川浦渓谷で沢登り、片道5~6時間の平家岳へ長時間登山…訪れる人の目的に合わせ様々な形で我々を受け入れてくれる懐の深さが板取の山岳にはあります。
しかしここは電波の届かない深い山中、もし雪崩に巻き込まれたら?もし滑落し身動きがとれなくなったら?このような「もしも」の際、少しでも皆さんの助かる可能性を高めるために以下のことをお願いします。(もちろん警察署へ登山届も提出してくださいね。)
家族・友人等に行先と帰りの予定を伝えておく
深い山中ゆえ、携帯電話の使用できない場所がたくさんあります。このような場所で怪我等により身動きが取れなくなれば通報の手段がありません。家族や友人にあらかじめ情報を伝えておけば、自分が帰らないことで通報してくれる…かもしれません。
テントや食料などビバークできる準備をしておく
ハプニングが発生し、仮に通報ができたとしましょう。しかし我々救助者にとっても道のりの険しさは変わらず、直ぐに助けに行くことはできないのです。私が板取の山に入る際には最低1泊はできる準備をしていきます。
「自分は危険な場所へ行くんだ」という自覚をもって、綿密な計画を立て、油断しない登山を心がけましょう。そうすればきっと板取の山々は雄大な景色とともに温かく私たちを迎え入れてくれる…かもしれません。