私は、黒猫を見ると必ずこう呼びます。
「ジジ」
そう、「魔女の宅急便」に出てくる黒猫のジジを連想して・・・
いつの日からか、消防署の車庫を悠々と歩く一人の・・・いや、一匹の黒猫がいました。
猫は縄張り意識が強いと聞きますが、毎日のパトロールのコースになったようです。
はじめは署員を見ると一目散に逃げていましたが、「ここに悪い人はいないと」と分かると、パトロールをする後ろ姿も堂々としたものです。
そんな日が、しばらく続いた雪の降る夜、私が消防署でシャワーを浴びようとカバンに手をかけた時、
「ん?重い…」
中を確認すると、あの「ジジ」が熟睡中!!
「うわっ!」
この声に、署員が集まってきても動じることはありません。
「ここで温まってもいいですか?」
そんな問いかけに、署内みんなの笑顔があふれ、ほっこりした瞬間でした。