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バックドラフト

バックドラフト【backdraft】とは??

火災時に発生する急激な燃焼を伴う現象の一つです。

フラッシュオーバーと同じでごく短時間で延焼拡大する現象ですが、酸素の供給方法に違いがあります。

 

燃焼は「火種」「可燃物」「酸素」の3要素がそろうことで発生し、どれか一つが欠けると発生しなくなるか、火が小さくなっていきます。フラッシュオーバーが発生する状況では、酸素が供給され続けて火災拡大します。

しかし、近年は気密性の高い住宅が増えており、このような建物で火災が発生すると、室内に酸素がある間は燃え続けますが、酸素が少なくなると燃えるものがいっぱいあっても、鎮火したような状態になってしまいます。これは気密性が高く、火災になっている部屋に酸素が供給されないためです。

ただ、この状態でも火種はあるので、その部屋のドアや窓を開けた瞬間に大量の酸素が供給され、今まで燃えずに室内に充満していた煙が爆燃して、急激に延焼拡大します。

 

バックドラフトの検証実験

下の写真は、当組合で実際に行った検証実験の写真です。
小さな家に実際に火をつけ、バックドラフトが起きる過程を検証しました。

①建物内に火をつけ、ドアを閉める。
(建物内では中にある可燃物が燃えるが、酸素がなくなっていき火が小さくなり、やがて鎮火したような状態になる)

②ドアをゆっくり開ける。
(外の酸素が建物内に入る)

③ボッ!!と炎が上がる!
(今まで燃えなかった建物内の可燃性ガスが爆燃する)

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消防士が火災現場で、室内から外に吹き出して扉などを押し戻す(back)、強い気流(draft)であるバックドラフト(backdraft)に巻き込まれると命にかかわります。

このため現在の火災現場では、いきなり窓やドアを開けて水をかけないこともあります。