【救急蘇生法の指針2015 市民・解説編】
みなさん、上の図を知っていますか?
救急講習を受講した人は、見たことがあると思います。
これは、救命の連鎖です。
この救命の連鎖は、傷病者の命を救い社会復帰に導くために必要な一連の行いのことを言います。
上の図のとおり、救命の連鎖は4つの輪で成り立っています。最初の3つの輪は、その場に居合わせた市民が担うことになります。
この4つの輪が途切れることなく、すばやくつながることで救命効果が高まるのです。
そして、この救命の連鎖で今回私が着目するのは、1つ目の輪の「心停止の予防」です。
心停止の予防、つまり心臓や呼吸が止まってしまうことを未然に防ごう、ということです。
まず、大人と子どもの突然死の主な原因は違います。
大人の突然死の主な原因は、急性心筋梗塞や脳卒中です。これらは生活習慣病とも呼ばれており、生活習慣の改善でそのリスクを低下させることも大切な予防の一つです。また、急性心筋梗塞や脳卒中の初期症状に気付き、少しでも早く救急車を要請することがとても重要です。
そして子どもの突然死の主な原因は、けがや溺水(川などでおぼれる)などがあります。その多くは、日常生活の中で十分に注意することで予防ができるものです。
心臓や呼吸が止まってしまった場合の救命処置も大事ですが、何よりも突然死を未然に防ぐことが一番効果的です。
しかし、もし何かあった場合に、救急隊が到着するまでの間、一人でも多くの市民が勇気を持って「何か一つ」でも行動に移し、救命の第一走者として「救命のリレー」をスタートさせ、命のバトンをつないでください。
※救命処置や救命講習について詳しいことは、中濃消防組合のホームページ→各種講習案内→救命講習 をご覧ください。