ほのおのにっき

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秋の夜長にこんな本を読みました(今はもう冬だけど・・・)

ほのおのにっき 2017年12月14日

皆さん、国民保護法って知ってます?

消防はこの法律に従い、武力攻撃などの有事の際(あってはならないことですが。)、関係機関と協力して住民の避難誘導、各種応急措置等を実施することになっています。

 

さて、秋の夜長に読書でもしようかと思い、どうせ読むなら消防士としてこの国民保護に係わる本でも読もうと思い、こんな本を読んでみました。

 

朝鮮戦争(上) 血流の山河 ・朝鮮戦争(下) 混沌の地平  芝豪著

 

文句なしにハマりました。

 

本書は基本的にノンフィクションですが、架空の人物を登場させることにより歴史的事実をわかりやすく説明してあり、当時の複雑な国際情勢や、犠牲になる一般市民の悲劇、日本の朝鮮特需、自衛隊の前身である警察予備隊の登場など戦況だけでなく、朝鮮戦争そのものがよく分かります。

物語としても、スターリン、毛沢東、トルーマン、金日成など各国の指導者たちの思惑、マッカーサー、彭徳懐など現場の指揮官たちの苦悩が描かれテンポよく進み、読み手を全く飽きさせません。

 

みなさんも、ちょっと読書でもしようかなと思うときは、マニアックですけど、読んでみてください。

 

これわかる人?古い人間ですね

ほのおのにっき 2017年12月13日

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この赤い丸い物体の正体は…水噴霧消火設備のスイベルです。

電源不要のごつい奴。水の力で風車を回転させ音を発します。

実際の音は、初めは低ーい音が鳴り、風車の回転が上がると共に高い音に変化します。古い消防車の手回しサイレンと同じ仕組みです。美濃市の小倉山サイレン音がイメージしやすいかも。

このスイベルとの出会いは、ある大都会の地下駐車場の片隅に設置されているのを予防係目線で発見したときです。感動しました。設置条件が立体駐車場や地下駐車場くらい…。なかなかお目に掛かる事がない…。

さかのぼる事昭和45年、自動車の急激な増加により、都心部の駐車場不足が懸念され地下商業地域及び地下駐車場が誕生し、水噴霧消火設備が設置されました。

地下商業地域及び地下駐車場が誕生し約47年が経過した今、しっかり維持管理すれば古いごつい奴でも生涯現役。

消防用設備だけではなく、メンテナンスの重要性を痛感した瞬間でした。

04-honoo2-20171213当時のアラーム(スイベル)

 

04-honoo3-20171213少し前のアラーム(ベル)

 

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現行アラーム(電子ベル)

 

「こんなこともやるんですか?」

ほのおのにっき 2017年12月12日

このホームページには「消防署の一日」として24時間勤務の流れを紹介していますが(キッズコーナー 「消防署の一日」はこちら)、災害出場、訓練、事務仕事以外にもいろいろな仕事があり、職人さんばりにDIYを行うこともあります。

DIY、最近当たり前のように聞く言葉ですね。Do It Yourself の頭文字をとった言葉で、業者などの手を借りずに自分自身で物を作ることを指します。

消防署では経費削減も兼ねて自分達でできるものは、ほとんど自分達で作ってしまいます。

 

時には、単管パイプを組み立てて、訓練施設を建てる。

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時には、木材を加工して空気呼吸器の固定具を作る。(車両に載せている予備の呼吸器です)

04-honoo2-20171212

 

 余っていた木材や、廃棄する予定であった空気呼吸器のベルトをリサイクルしています。もともとあった棚に穴を空けないよう板で挟んで固定しています。

他にも、廃棄ホースを使用して訓練人形や延長コードの保護カバー作製など、至る所にDIY作品があります。

何かを自分達の手で作ると愛着がわきますし、完成すれば達成感もありますね。

ただ、こういった仕事を任されると、センスを問われるためプレッシャーも感じます。消防署の職員はこだわりの強い人、それでいて器用な人が多いので、詰めが甘いと容赦なく指摘されます(笑)プライベートのように、自己満足だけでは終われないDIYなのです。だからこそやりがいもある。

自分達が仕事をしやすい職場環境作りのために、時には足場屋さん、時には大工さん、いろいろな職人さんになりきって汗を流しています。

 

 

先日、新人職員に手伝ってもらった時、彼は思わず言っていました。

「消防署ってこんなこともやるんですか・・・」

『本日は晴天なり』

ほのおのにっき 2017年12月8日

私が消防署に入ってから1日も欠かすことなく聞く言葉!!

『本日は晴天なり』

これは、毎朝の無線点検実施時に必ず聞く言葉なのです。

みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

消防署に入ったばかりのころ、天気は雨なのに『本日は晴天なり』という無線点検の声を聞いて、「いやいや、今日の天気は雨なのに気付いていないのか!」と思わず心の中で叫んでしまったことがありました。(笑)

どうして雨なのに晴天というのでしょうか…?

 

 

この言葉の由来はアメリカから来ているのです。

アメリカではマイクや無線のテストをするときには、

『It′s fine today』

と言います。

このフレーズは、声が明瞭に伝わるかどうかの試験には最適の言葉だそうです。

そしてこれを日本語に直訳したのが、『本日は晴天なり』となるわけです。

日本でもこの言葉は正式な無線用語となって、電波法でも決められているんですよ。

 

 

冷え込みの厳しい時季になり、曇りや雪の日も増えてくると思いますが、今日も消防署からは『本日は晴天なり』と無線点検の声が聞こえてきます。

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甘い考え、重い症状

ほのおのにっき 2017年12月7日

師走に入り寒い日々が続いていますが、皆さん体調はいかがでしょうか?
ちょっとした不調を見逃すと、治療に時間が掛かるようになります。初期症状段階での治療が大切です。

 

なんでわざわざこんなことを書いたのかというと、自分がちょっとした不調があった時に大したことがないと考えて放置した結果酷いことになったからです。

最初はへそ周りに触れると痛みがあるのとへそから嫌な臭いがあった状態が、5日後にはしこりができて常に痛い状態に。
腰を曲げてゆっくり歩かないと激痛で移動が出来ず、これはまずいと病院に行くと尿膜管遺残症と診断され手術で治すことに・・・。
このとき症状が軽いうちに病院へ行けば薬を飲んで治せたと聞いてもっと早く病院に行っていればと後悔。

そんなこんなで手術の原因となった尿膜管遺残症、聞き覚えがないので調べてみました。

 

尿膜管遺残症とは

・尿膜管が出生後も閉じずに残っている状態

・尿膜管は胎児のころに胎盤(へそ)と膀胱をつないでいる管

・尿膜管は出生後次第に退化し閉鎖される

・成人の約2%が閉じていない

・閉じてない部分は人により異なる

・感染や膀胱の膨らみにより開くことがある

 

主な症状(症状がないことも多い)

・へそから尿が漏れる

・へそ周囲の炎症

・腹痛

・へそから膿がでる

・悪臭がする

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尿膜管が開いている人自体が少ないみたいです(成人約2%)。
尿膜管が開いていても症状が出てなければ問題もなく、症状が出ても投薬で治せるようです。

 

自分が体験したように症状が進行すると薬では、治らなくなる病気もあります。
ちょっとした不調を大したことがないと考えないで、早めに病院へ行くようにしましょう。

災害時の備えは大丈夫ですか・・・

ほのおのにっき 2017年12月6日

災害時の備えとして、防災グッズは準備してありますか?

いつ起きてもおかしくないと言われている南海トラフ大地震・東海地震に備えて数日間生活できるよう、我が家も自宅物置に一般的な避難セットの他に追加アイテムとして、石油ストーブと鍋が備えてあります。

石油ストーブと鍋は、東日本大震災に緊急消防援助隊で経験した72時間の生活の中で必要と感じました。

現地での生活は、電気、ガス、水道などの「ライフライン」は復旧していないため、建物内も寒く凍えそうな時に石油ストーブで暖を取りました。

ストーブは暖を取る以外に鍋でお湯を沸かし温かい食事がとれ、まさに救世主となりました。

みなさん、防災グッズの点検をする際に追加アイテムを家族で話し合ってはみませんか!
避難場所の再確認も忘れずに!

やまこし

あっ!赤ちゃんが産まれる!

ほのおのにっき 2017年12月5日

みなさん!消防士の仕事というと、やはり一番は火災出動と救急出動ですよね!

我々は、勤務が始まる朝、当直司令(当日の責任者)からその日どの車両で出動するか指示され消防車や救急車に乗っています。
そのため消火訓練や救急の訓練など、多種多様な訓練を行っていますが、今日は救急隊員としての訓練を紹介します!

 

「救急」と言っても、色々な事案に出動しますが、妊婦さんを搬送することもあります。
下の写真は、救急車内で妊婦さんのお産が始まった際の隊活動訓練を行っている風景です。

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※へその緒(胎盤付)はS救命士の手作りです。

 

救急救命士を中心に分娩介助についての座学及び実技訓練を行いました。

お産が近づいている妊婦さんを搬送する際に、救急車内で赤ちゃんが生まれることも稀にあります!
時には、産後すぐに呼吸をしていない赤ちゃんもいます。
その時、私たち救急隊が行うのが新生児の心肺蘇生です。
※詳しくは中濃消防組合HP・生活安全情報をご覧ください。
「救命処置の重要性と心肺蘇生法手順」に詳細が掲載されています。
(リンク先:https://www.chunou-119.jp/safe/kyukyuhou

また、お産によりお母さんの命が危ない場合もあります。
ですが、お母さんと赤ちゃんを無事病院まで搬送することが我々の任務です。

 

 

まだまだ男性が多い消防の世界。そして、一生に一度出会うかどうかの事案ですが、この世に授かった大切な命を「絶対に助けるんだ!」という気持ちで日々訓練を実施しています。

ミニ学習

ほのおのにっき 2017年12月1日

私が勤める津保川出張所ではミニ学習を実施しています。

内容は消防業務に関することだけでなく「何でもいい」というものです。毎月1人が指名され、指名された者は題材を考えミニ学習を実施します。

 

題材の一部を紹介すると、

「台風について」
「筋力トレーニングによるメリット」

ときには
「入湯税について」
「TVゲームのメリット・デメリット」

など様々な題材でミニ学習を実施しています。

 

一見消防業務に関係ないのでは?と思うかもしれませんが、私たちの仕事は災害出場に加えて各種事務等があり様々な知識が必要です。

あえて題材を「何でもいい」とすることによって幅広い知識を身につけることを目的としているのです。

 

このミニ学習で得た知識を今後の業務に役立てることができ、幅広い対応力や柔軟性が持てる知識人を目指しています。

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私の好きな風景 ~水道山の防火看板~

ほのおのにっき 2017年11月30日

私の勤務している武芸川町の小知野地区に、地元で水道山と言われる山があります。

その頂上付近には上水道用の巨大なタンクが設置されており、そのすぐ下には大きな字で『火の用心』と書いた防火看板があります。

この防火看板は約10年前に消防職員や消防団員らが協力して設置し、補修しながら守ってきた物です。

また、看板の周りには草木が繁茂しているため、年に数回職員が非番を利用して、鎌や草刈機を持ち、看板の周りの草木を整えています。

山の上から武芸川町を見下ろしている看板は、すでに風景の一部となっており、なんとも言えない存在感をかもし出しています。

看板の維持管理が大変な事から、もう少し道沿いとか、手入れのしやすい位置に移動しては、という意見もありますが私はこの風景を気に入っています。

この看板に書かれている『火の用心』の文字が、見てくれた皆さんの心に少しでも残り、災害の少ない安全な街作りにつながって行けばと願っています。

 

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ブブルッ!ブルッブブッ!!!・・・おぉお~~~♪

ほのおのにっき 2017年11月29日

11月もあと残り2日。冬の到来を前に最近めっきり寒くなってきましたね~。

寒くなってくると・・・

 

朝布団からなかなか出られない

チョコとか甘いものが食べたい

血圧が上がるー

関節痛いー

なんてことがありますよね。

そして私の場合、寒くなってくるとおしっこが近くなります。

1日に何回もトイレに駆け込むのですが、寒いときにおしっこをすると、しょ~んと出たあとすぐに

『ブブルッ!ブルッブブッ!!!』

って震えます。

そう、何ともいえないあの感覚。そこまで気持ちいい訳でもない。「オオ~・・・」て言いたい訳でもない。震えたい訳でもないけど震えたくない訳でもない。でも悪い気はしない・・・

皆さんも震えますよね。

この何とも言えない震えを皆さんも経験されていると思います。

そこで、この震えの原因を調べてみました。

結果は人間の神秘でした。(私には分かりませんでした。)

しかしながら、いくつかの仮説はあるようです。

 

【仮説1:体温の低下】

えっ!どうして体温低下?と思う方もいるでしょう。冬場におしっこをすると、おしっこから湯気が出ますよね。冬の屋外だとそれはそれは猛烈な湯気となって前方が見えない!なんてことも(その辺ではしないでください)・・・つまりおしっこはとても温かいということです。

そのおしっこの熱が体外に放出されるのですから、体温が一時的に下がります。そして、一時的に下がった体温を元に戻そうと反射的に震えるというのです。筋肉を震わせることによって、熱が産生されるからです。

これが一般的に知られているみたいですね。

 

【仮説2:おしっこを我慢】

おしっこを我慢することで震えるということですが、これには自律神経という神経が関係しているそうです。

自律神経ってなんですか???

≪生体は外的環境がいろいろ変化しても、身体の内部環境は自動的に調整され安定した一体の状態を保っている。これを維持するために働いている器官は、意思とは無関係に自動的に働く器官であり、これらを調節している神経系が自律神経です。≫

ということです。

簡単に言うと、心臓を動かしてやる!とか、食べ物を消化してやろーか!という自分の意思があったとしても、それに関係なく身体が勝手にやってくれる全自動的な神経、自分をコントロールしてくれる神経ということです。

その自律神経は、交感神経と副交感神経に分かれていて、この2つの神経によって拮抗的に支配されています。

じょー~1

 

この表や図をみると、おしっこを我慢しているときは交感神経が優位に働いていることがわかります。脳内ホルモンであるアドレナリンなどがドバッと出ます。

逆に、おしっこをしているときは副交感神経が優位に働いています。脳内ホルモンのアセチルコリンがドババッと出ます。

このように、おしっこを我慢してから一気に出すと、脳内ホルモンが急激に分泌され、ホルモンのバランスが乱れ、それが震えにつながるということみたいです。

たしかに我慢しているときは、すごく緊張状態でおしっこのことしか考えられなくなり、冷や汗なども出てきます。そして、必死になって我慢した後に放出したときの解放感は何ともいえません。この時に出る『ほっ♡・・・』という言葉が最高に幸せですよね。

おしっこの我慢と放出は、緊張状態から一気に幸福に満ち溢れるという、メリハリのある行為ということなのです。

 

【仮説3:おなかの圧力】

仮説2で紹介したように、おしっこを出すと膀胱が縮みます。すると縮んだ分だけお腹の圧力が下がり、それを補うために全身の血液がお腹にいきます。すると、血圧と体温が下がるため、血圧と体温を回復させようとして震える。ということです。

この仮説も結果的には仮設1の体温の低下が含まれますね。

 

【まとめ】

調べた結果、3つの仮説がありました。どの仮説も「へぇー。」と思わせるものでした。

私は『冬場になると震える』ことが多いので、仮設1と3の体温低下が当たっているような気がします。夏場は体温低下しても気温が高いので、震える必要がないというような・・・。

仮設2については『そんなに我慢していなくても震える』という理由で違うと思いましたが、我慢から解放された時の幸福感は実際に感じますし、震えた後のホワンッとした気分・・・正にホルモン大崩れといった感じです。

こっちが当たっているよーな・・・

何れにしても、現在のところ原因は不明ということだそうです。人間の身体はすごく奥が深いものだと改めて感じさせられました。

 

普段から救急現場で傷病者と向き合いますが、これからは人間にはまだまだ解明されていない不思議があるんだなぁと念頭に置きつつ、傷病者を観察していきたいと思います。

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