ほのおのにっき

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車の運転手から「見えない部分(死角)」を知ろう

ほのおのにっき 2017年10月18日

みなさん、車を運転するとき「見えない部分(死角)」が実際にどのくらいの範囲が見えないのか、知っていますか?

わたしたちは、火災現場や救急現場へ消防車や救急車で出動するとき、現場へ早く行くために、赤色灯とサイレンを鳴らして緊急走行で現場へ向かいます。緊急走行では、赤信号でも一時停止してから左右をしっかりと確認してゆっくりと進みますが、非常に危険です。現場へ向かうまでは、必ず助手席にも人が乗って緊急走行しています。それは、「見えない部分(死角)」を二人でしっかりと安全確認をする必要があるからです。

そこで今回は、実際に見えない部分(死角)を救急車と消防車を使って測ってみました。

これは、運転席に座った状態で、車の前方、運転席側、助手席側の地面が見えるまでの距離を測ってみました。

下の写真を見てください。(座高の高さで少しは距離が変わってくると思いますが、今回は運転手の身長170cmの人で測りました。)

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黄色が運転手から見えない部分(死角)となります。

このように車の運転手から見えない部分(死角)が広い範囲であることがわかります。

しかし車には、見えない部分を少しでも無くすために、サイドミラーやバックミラーが付いていますが、見えない部分をすべて補うことはできません。そしてこの運転手から「見えない部分(死角)」があることで、他の車や歩行者を見落としたため、接触してしまう事故があります。

運転する人はもちろんのこと、歩行者や自転車に乗る人も「見えない部分(死角)」があることを知り、安全確認をしっかりと行いましょう。

 

消防の階級なお話・・・

ほのおのにっき 2017年10月17日

消防や警察・自衛隊などには階級制度があることをご存じでしょうか?
身近なところでは、消防で「消防士」警察では「巡査」といったところでしょうか?

しかし、「消防士」は階級の一つであることを知っている方は少ないですよね・・・

「消防士さん」に対し「お巡りさん」、ともに職種を表す使い方がされがちですが、実は違うんですよね~。ただ、皆さんはこれからもそのまま呼んでくだされば良いですよ!

 

そこで、そんな良くわからない消防の階級などのお話を少し・・・
もし、私たちの職業は?と聞かれた場合、「消防士」ではなく「消防職員」です、と答えるのが一般的なのです。※書類などには「地方公務員」と書いたりチェックをしますが・・・

 

そして、消防職員には2種類あり、「消防吏員」「事務吏員」に別れます。
えっ!消防職員なのに事務吏員??という疑問を持たれると思いますが、消防署(本部)で勤務している正職員の中には、災害現場などで活動しない事務員や市町村からの人事交流で配属されている職員もおり、そのような専門的教育訓練を受けていない職員は、消防吏員ではなく事務吏員という位置付けとなるのです。ですから、堅苦しく言うと、「地方公務員の消防吏員」となりますが、普段は、「消防官」や「消防職員」と言っており、自らを「消防士」と言う職員はあまりいないのです。(子供たちには「消防士」と言いますけどね~!)

 

さらに、階級のほかに「職」(一般企業などの係長や課長と同様なもの)があり、仕事の内容によって階級と職を使い分けることもあるのです。
例えば、避難訓練や諸打合せなど対外的な業務の場合は、◯◯署長◯◯係長の◯◯です。とを使います。
反対に、自分達の訓練や現場活動時には◯◯士長◯◯司令補といったように、階級を使います。

下の表が、消防の階級と職です。(職は、消防本部によって異なりますので、中濃消防の職をあげてみました。

階級 (中濃消防組合では) 備考
消防総監   東京消防庁の消防長
消防司監   指定都市の消防長
消防正監   職員200人以上又は人口30万人以上の消防長
消防監 消防長 職員100人以上又は人口10万人以上の消防長
消防司令長 消防次長・消防署長・課長

・分署長

職員100人未満かつ人口10万人未満の消防長
消防司令 副署長・主幹・出張所長

・副分署長・課長補佐・署長補佐・分署長補佐・副出張所長

 
消防司令補 主任主査・係長  
消防士長 主査・主任  
消防副士長 副主任  
消防士 主事  

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上のバッジのようなものが、制服や現場服の胸などに付いているのはご存知かと思いますが、これらは階級章といわれるもので、そのほかに制服の袖やヘルメットなどにも、階級を表す線などが入っているのです。

(上記の英語表示は消防本部の規模などによってかわってくる階級もあります。)

 

今回は、ちょっと難しくてマニアックな内容でしたが、このうんちくを頭の片隅に置いて、消防官を見てみてください。

今年の秋をきっかけに

ほのおのにっき 2017年10月13日

 先日、息子の小学校運動会で、1日中ビデオカメラや一眼レフカメラを構え、また親子競技で一緒に走ったりしました。地域の方々とのふれあいや、息子やその友達の成長を感じることができ、とても有意義な1日を過ごしました。翌日は草野球を午前、午後と2試合楽しみ、久しぶりによく動いた2日間でした。

そして次の日・・・起きたらビックリ!腕・肩・腰・足が筋肉痛になっていて、階段の昇り降りが辛く、ぎこちない動きに。そんな姿を見た嫁が、「消防人としてあかんやら!」と笑いながら一喝してきました。

言い訳になりますが、指令課勤務になって2年、仕事中の運動量が減ることを懸念して、炭水化物の摂取を控え、野菜中心の食生活を続けたところ、体重は2~3キロ減りましたが、体力・筋力も想像以上に減ってしまっていました。

 

「よし!今年の秋はスポーツ(運動)の秋にしよう。そして、継続は力なり。」

 

そう決意した理由の1つに、運動会で小学6年生の親子競技が「親子対決リレー」であることを知ったからです。学年選抜リレーに選ばれた息子を嬉しくも、また脅威に思いますが、6年生になったときに負けるわけにはいきません!

今は1年生なので、あと最低でも5年間!息子とたくさん遊んで、走って、運動して、6年生になったときには、真剣勝負したいと思います。

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いつか父親を追い越してくれる日を楽しみに、親子で楽しく運動を継続していきたいです。

私はこのようなきっかけから「スポーツ(運動)の秋」になりました。

みなさんはどのような秋を過ごしていますか?

育てる

ほのおのにっき 2017年10月12日

 育てるといっても、私が育てるのは野菜!!玉ねぎです。

この時季の畑では、白菜や玉ねぎ、ネギなどを育てる風景がよく見られます。

私も、近年大好きな玉ねぎを育てるのにハマっています。

それは、冬に育て春に収穫でき寒い冬にほったらかしにできる手のかからない野菜だからです。

今回は、土づくりと苗の植え付け準備をしました。

土づくりは、注意することがあると地元のお年寄りから聞きましたので、一部紹介しますが、これが本当かは分かりませんが自分流でやっています。

玉ねぎは、酸性土ではうまく育たないと言われ石灰を巻き耕すように言われ毎年耕しています。

耕した後に、マルチを引き15cm間隔に穴をあけました。

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後は、ホームセンターで苗を買い植えるばかりです。

こういった手の掛からない野菜なら良いのですが、こと人材育成に関しては簡単にはいきません。

これからは、もっと難しい野菜にチャレンジして「育てる」を実感しながら人材育成に役立てていきたいと思います。

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仲間の特技は、だいへんしん!!

ほのおのにっき 2017年10月11日

みなさん、今日は私たち消防士の優秀な仲間を紹介します。

その仲間は、消防士みんなの友達であり、私たちの望みのとおりに動いてくれて、嫌な顔もせず、文句ひとつ言いません。

こんな素敵な友達、他に探してもなかなかいませんよね?

 

それでは、みなさん気になる、彼?いや、彼女?の紹介をさせてください!!

この方は、40代男性!

いやいや、20代女性…いやいや、時には、60代の男性!?

意識があったり、なかったり、自分で歩くことはできなかったり…?

特技は変身!?

 

ん~~~~っ、ちょっと混乱しますよね。

それでは、そろそろ登場していただきましょう!!

この方です、ドーンッ!

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彼は訓練人形として、私たちのために365日、どんな傷病者役にも華麗に大変身してくれます。時には痛い思いもしているでしょう…

そんな彼を、私たちは本当の人と思いながら、とても丁寧に扱います。

ちなみに体重は、36kg!!一見軽いように思えますが、意識がない訓練人形の36kgは、とても重く感じます。彼がいてくれるおかげで私たちの訓練が有効にできているのです。

ありがとう!訓練人形くん!!

 

さーて、今日も訓練を始めようかな。

訓練人形くん、今日は

「50代男性、火事が起きて室内で動けない状態」でよろしく!!

今日も無事に救出するからね!ありがとう!!

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未来の救急救命士がやってきた!!

ほのおのにっき 2017年10月10日

私は、消防歴25年、救急救命士15年のおじさん消防士である。

 

夏が終わろうとしている8月下旬、将来の救急救命士を目指している専門学校の学生ふたりが関消防署にやってきた。なんとも、キラキラと輝いた初々しいふたりである。私も25年前は・・・と、思う瞬間。

 

将来、救急救命士を目指しているだけあって、とても真剣に心肺蘇生法の訓練に取り組むふたりであった。大粒な汗をかきながら、「いち、に、さん、し、・・・・」「換気良好」。

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彼らは主に、救急救命士になりたいとの想いを抱いて、我々のもとを訪れたのだったが、意外に救助訓練も夢中で取り組んでいて、「楽しい、面白い、すごい」を連発していたことがなんとも印象的なふたり。

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彼らにとって、この研修がどのように感じたかは解らないが、そう遠くない将来、一緒に仕事が出来る日が楽しみと感じる光景であった。

こんなふたりの姿を見て、25年前の自分を思い出す私。

「夢と希望に満ちた若者よ、おじさん消防士は、君たちを待っている!!」

消防訓練デビュー

ほのおのにっき 2017年10月6日

先日、消防訓練での消火器の使い方説明に若手消防士が初挑戦しました!

 

私たち消防士は企業や学校で消防訓練の指導に出向いた際

消火器、屋内消火栓設備、自動火災報知設備、…etc

消防用設備の使い方を説明することがあるのです。

 

人前で話すのは緊張する…

始まる直前はそんなことを言っていましたが

笑いあり、涙あり(?)で上手に説明していました!

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説明もこれから回を重ねるごとに上達していくと思いますが、

“訓練を重ねて上達する”それは皆さんも同じです!

 

今年の2月に埼玉県にある某通販会社の倉庫で大規模な火災がありました。

その会社では、消防訓練で消火器による消火訓練を定期的に行っていましたが

屋外消火栓の取扱い訓練は行われていませんでした。

 

その結果、消火器による消火は行ったものの、

屋外消火栓設備を十分に使うことができず、

焼損面積45,000㎡(調査中)

鎮火まで12日

を要する大規模な火災へと発展しました。

 

消防用設備は建物の用途、規模、構造によって設置が義務づけられるものがあります。

しかし、設置されているだけではなんの意味もありません。

消防訓練を行い、設置されている消防用設備を使いこなすことで

火災による損害を小さくすることができるのです。

 

中濃消防組合は一般企業・自治会等から指導の依頼があれば、職員が出向し指導を行っています。

消防訓練を行い、災害に備えて「命」と「財産」を守りましょう!

同志の繋がり・・・

ほのおのにっき 2017年10月5日

8月18日、9月5日のほのおにっきにも記載がありました、救急救命東京研修所・・・
もう何年も前にはなりますが、私もそこの卒業生です。

8月18日のにっき「救急救命東京研修所」はこちら
9月5日のにっき「消防署の受験生」はこちら

辛かったこと、楽しかったこと・・・あっという間の7か月間でしたが、何よりの財産は300人の仲間と共に救急救命士国家試験の合格を目指し、団結したこと、全国に素晴らしい仲間が出来た事ではないでしょうか。

 

そんな今年の夏。ある同期から「岐阜に遊びに行くから~」と連絡がありました。
その方は埼玉県の消防職員・・・しかもなんと非番でツーリングがてらバイクで岐阜へ来ると・・・

先日9月中旬に同僚二人を従え、2泊3日で宣言通りバイクで岐阜にみえました。

1泊目は我が中濃消防管内、板取のコテージを予約。
夜はみんなでBBQ。地元板取川で取れた鮎。飛騨牛。どて煮等でおもてなし。

趣味の話、仕事の話で盛り上がり、あっという間に夜は更けました。

 

朝は川浦渓谷へ行った後、喫茶店でモーニング。
関東にはない景色、サービスで大変喜んでいただけました。
その後は岐阜城を観光し名古屋へひつまぶしを食べに・・・

2泊目は岐阜市街のホテルでしたが、2泊3日満喫してもらえたようです。

 

いつまでたっても同期はいいものです。
各地元で頑張っている話を聞くと自分も負けてられないな。と思わせてくれます。

これからも、全国の同期との繋がりを大切にしていきたいです。

 

※写真は板取川の鮎と川浦渓谷です

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ウルトラマラソンランナー

ほのおのにっき 2017年10月4日

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時刻は午前2時、標高1400m、気温マイナス10℃。月明かり届かぬ闇の中、ハンドライトの灯りだけを頼りに進むその男の髪の毛は白く凍りついてしまっている。

「あいつは誰だ。」

 

彼は中濃消防の職員H、いわゆる「ウルトラマラソンランナー」である。

 

※ウルトラマラソンとは、フルマラソン(42.195km)以上の距離を走る競技であり、100kmの大会がもっとも多い。160kmの山岳レースや、短い周回のコースを24時間が経過するまでひたすら走り続けるレースもある。

 

非番には20~30km、公休にはもっと長い距離を走り、雷や台風、警報が出ている場合を除けば全天候が練習日である。「大雪に猛暑、天候が過酷であればあるほど燃える」と彼は満面の笑みで語った。6月に挑んだ「飛騨高山ウルトラマラソン」では、全ての上り坂を合計した累積標高が2489mという全国屈指の難コースの中、100kmを10時間以内に走り切る「サブテン」を達成した。ちなみにその時、95km地点で彼は感極まって泣いてしまったらしいのだが、その理由は「あきらめない自分に感動した」かららしい。

 

いかに体力が資本と言われる消防職員であっても、彼のような馬鹿げた距離を走るランナーは決して多くなく、先輩職員からは「走る虫」と呼ばれている。いったい何故そこまでして走るのか、そう尋ねると彼は神妙な面持ちでこう語った。

 

「わからないから走っている。」

 

強靭な体と心が必要とされる消防士にとって、ウルトラマラソンは良い趣味なのかもしれないが、「開いてはならない扉」がそこにあると感じたのは私だけだろうか…。

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寄席

ほのおのにっき 2017年10月3日

みなさん「寄席(よせ)」って知っていますか???

簡単に説明すると、‘落語’を楽しむ場所です。

近年は、静かな落語ブームらしくて、若い女性の間でも流行っているとか・・・いないとか。

 

ところが・・・

残念なことに、我が消防本部がある岐阜県はもとより、東海地方には本格的な「寄席」がありません。

そこで、落語好きの老体メンバーが集まり、毎年1回「東京落語ツアー」に行っております。

休暇を利用した一泊二日のツアーのため、とにかく落語を楽しむことが目的です。

1日目=朝出発⇒昼:東京着⇒「寄席」直行⇒落語・落語・落語⇒夜:ホテル泊

2日目=ゆっくり休んで昼頃「寄席」直行⇒落語・落語・落語⇒夜:帰宅

東京観光なんぞは一切しません。

とにかく落語を楽しむツアーとなっており、二日間でトータル約12時間の「寄席」滞在時間となっています。

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新宿:末広亭

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浅草:浅草演芸ホール

 
 

 

興味の無い方にとっては・・・???な思いでしょうが、御ひいきの落語家さんを応援したり、落語の合間に登場する漫才やマジックなどの演芸を楽しんだり、「寄席」好きにとっては至福の時間なのです。

(ちなみに落語の合間の演芸を「色物」といいます。)

 

ということで、私が感じる落語の魅力を紹介します。

御存じのとおり、落語はたった一人で演じる「芸」で、何人もの登場人物を演じます。

決してモノマネをするのではなく、口調と身振りだけで話を進めます。ベテランの落語家さんになると、まるで目の前に話の風景や、何人もの登場人物が現れ、どんどん話に引き込まれていきます。

 

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上野:鈴本演芸場

 
それと、落語から学ぶべきことが一つあります。

それは何といっても話の「間」です。

この「間」一つで笑いが生まれ、話に奥行きが出てきます。

 

われわれ消防職員も訓練や講習会などで、市民のみなさんの前で話をする機会が多くありますが、是非この「間」を学んで、話術を身につけていきたいものです。

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